幹候校第18期一般課程卒業生の期生会である「とわ会」(会長呉監幕僚長谷海将補)は、卒業25周年に新進気鋭の女流書家・柏木白光さん揮毫の「桜花爛漫−新・同朋の桜−」と題する扁額を母校幹候校に寄贈した。
「とわ会」は、幹候校第18期生が在校中の昭和42年夏、宮島の幕営訓練地で「永遠に変わらぬ友情、盟友としての契りを結ぶ」として18期にちなんで「とわ(永遠)会」と名付け発足したクラス会。今年度は卒業後25年にあたり、これを記念してクラスの団結と友情の証を母校に置き、いつでも江田島に集まれることを願い、併せて、後輩候補生らの同期の団結強化の一助にもなればと書額を寄贈したものである。
昨年3月、この記念品寄贈計画を聞き、海の男達の友情、団結、そしてその生き様などを意気に感じた柏木さんが書の揮毫を約束、平成5年3月20日の第43期生の卒業式に参列、幹候校の生活などの印象、雰囲気をつかみ、更に翌4月桜花満開の江田島を18期生の招きで再訪し、自ら詩を練った。
そして女史の知人である作詞家・星野哲朗氏、京都の大徳寺住職、とわ会等の意見をも聞いて推敲を重ねたうえで、7月1日から3日の2泊3日を江田島に過ごし、女史の希望により1術校大講堂内で横2・5メートル・縦1メートルの大作を書きあげた。
『 風に吹かれ 雪に舞い
海に散り 波に漂う
桜花爛漫
燃えたつ魂と さくら花を
抱いた
愛しき人よ いつか会いまみえん
この天地にて 』
海を空を陸を舞台に、同期の契りで結ぱれた海を守る男達の熱血と友情を謳いあげたこの書は、ネイビーブルーを基調に表飾され、現在は幹候赤レンガ2階中央部の応接室に掲げられているが、第44期生の卒業を目前に控えた今の時期、来校する多数人々の関心の的にもなっている。
特に、18期生が候補生であった時の堀江文彦校長、今井梅一教育部長も江田島を訪問した際にわざわざ立ち寄って書に接し、教え子の成長に目を細めていた。
柏木白光さんは、大分県中津市出身。6歳から書道を始め、18歳で大分県美展初入選、1983年に現代関西近代詩文書展最優秀賞、88年毎日女流展グランプリを受賞した。
1971年白光会書展を主宰し、以降毎年開催するかたわら各地で書道塾及び個展を開いてきた。現在、成田空港ロビーに「般若心経」(7メートル)を展示中。海自創設40周年で掛け替えた「海上幕僚監部」の門標は同女史の揮毫である。
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