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奥様方の年金(M氏の妻の場合) M氏の妻 (H19.9.11)


奥様方はもうすでに年金を受給されておられる方や手続きを済まされた方、またこれから手続きをされる方などがおられると思います。

私(M氏の妻)は、昨年4月60歳を迎え現在年金を受給しております。
今年の5月末に夫の平成18年所得証明が発行されてから、加給年金の手続きを行いました。

夫婦の年齢や年金受給状態そして夫婦それぞれの所得により、ケースバイケースで難しいのですが、私の場合を紹介することにより、これから手続きをされる方の参考になれば幸いです。


ご存知であろうと思いますが、公的年金加入者には第1号被保険者、第2号被保険者と第3号被保険者があります。第1号は個人事業者・学生(20歳以上)・任意加入者などの国民年金。第2号は厚生年金や共済組合に加入している者。第3号は厚生年金や共済組合に加入している者に扶養されている配偶者です。

私は24歳で結婚した時、会社を退職しそれまで掛けていた厚生年金を脱退しました。当時女性は厚生年金を脱退して一時金を受給できる制度がありました。結婚して子供を授かるまでの間、短期間でありましたが、自宅近所の会社に勤め、新たに厚生年金に加入したことがありました。

その後、年をとれば年金が大事だと言う夫のすすめで昭和54年4月から、任意加入の国民年金(1号)に加入しました(4年4ケ月)。子育てにあまり手が掛からなくなってから、又会社勤めをし、厚生年金に加入しました。その後子供達が就職し、義母も亡くなって、夫の扶養家族が0になりました。当然夫の税金が高くなって私は会社を退職し、夫の扶養家族になりました。年金はサラリーマンの妻で第3号被保険者となりました。


58歳になってから、社会保険事務所を訪れ、年金加入記録の紹介をおこないました。その際、社会保険庁から送られてきた、年金加入記録をもとに欠落している部分を探してもらいました。私の持っている、2つの厚生年金番号と1つの国民年金番号を繋いでもらいました。最近国会で問題となっている、いわゆる「5千万件の名寄せ」の内の3件です。

社会保険庁からの年金加入記録の欠落部分は名前のカタカナ読みの違いでした。旧姓の「カミタニ」を「カミヤ」で入力されていたようです。またある会社の入社時期と厚生年金加入時期が2ケ月ずれていました。夫が言うのには「その2ケ月は会社が試用期間として、保険・年金に加入していなかったのだろう。君から徴収していたかどうかは、今となっては確かめようがない。君と会社間の問題だ!」ということで泣き寝入りです。

この間、社会保険事務所を数度おとずれ、社会保険庁との年金加入期間確認のやりとりは半年間にも及び、ほぼ満足できる最終の「年金加入記録のお知らせ」が送られてきたのは10月になってからでした。


この時、分かったことですが、脱退した厚生年金の加入期間が復活しました。
報酬比例部分の算定には使われないようですが、年金加入期間には算入されました。

皆さん若い時に脱退した厚生年金も申請すれば復活できます。
脱退した厚生年金保険被保険者証や年金手帳や年金番号がわからなくても、会社名やおよその会社住所、加入していた時期等を提出すれば、社会保険事務所で必ず探してくれます。


私は昨年4月、60歳になり年金の手続きを行ないました。

下表(A表)のとおり年金加入期間が25年(300月)をオーバーしており、特別支給の老齢厚生年金が受給できました。

「国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書」を提出したのですが、生計維持証明欄の配偶者(夫)の年収額を保留にしました。社会保険事務所では、市役所の発行する前年の所得証明額を配偶者の年収として記載します。

私の誕生月は4月なので年金手続きも4月です。市役所で昨年の所得証明を発行してもらったのですが、4月では一昨年の所得証明しか発行できません。社会保険事務所ではその一昨年の所得証明額をもって、配偶者の年収として記載します。

すなわち平成18年4月では、平成16年の所得証明を年収とします。
平成16年の夫の年収では、下表(B−2表の注2)の配偶者加給年金の受給条件をクリヤーできません。夫は60歳をピークに役職も変わり毎年年収が減額されてきました。2年間の減額は大きなものがあり、申請時現在(平成18年)の年収であれば、クリヤー出来そうなので、意義申し立てをしました。

社会保険事務所では、配偶者の年収額を保留(空白)にして、私の61歳時の加給年金受給資格が出来た時に再申請し、配偶者の年収を記載することで決着しました。

今年4月、61歳になり「国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書」の夫の年収額を保留にして再提出、そして5月末に市役所で平成18年の所得証明をもらって再申請をし、やっと今年5月分から加給年金が受給できるようになりました。しかし夫が65歳になる来年4月からは受給できません。1年間の加給年金受給です。


このように、特別支給の老齢年金を受給されている方、これから受給資格が出来る方は、夫の年収や年金受給状態で、条件がそろえば、加給年金が受給できます。社会保険事務所職員の応対態度も随分と柔らかくなり、夫が60歳で年金申請をした頃(平成15年4月)とは違い丁寧に優しく教えてくれるようになりました。

是非、夫婦の年金証書・年金手帳等を持参して社会保険事務所を訪れられたらいかがでしょうか?


A表:M氏の妻の年金加入期間(月数)


加入月数 年金加入期間合計
国民年金(1号)  52 175
国民年金(3号) 123
厚生年金(2号) 256 256
共済組合(2号)   0   0
合計加入期間 431

B表:特別支給の老齢厚生年金


特別支給の老齢厚生年金は、報酬比例部分と定額部分をあわせた額です。

ただし、定額部分を受け始める年齢は性別や生年月日によって異なります。(下表B−1を参照)。

また、加給年金額の対象者がいる場合には、定額部分を受けられる年齢になったときから加給年金額が加算されます。


B−1表:定額部分の支給開始年齢


男性の生年月日 女性の生年月日 定額部分の支給開始年齢
昭16.4.1 以前 昭21.4.1 以前 60歳
昭16.4.2〜昭18.4.1 昭21.4.2〜昭23.4.1 61歳
昭18.4.2〜昭20.4.1 昭23.4.2〜昭25.4.1 62歳
昭20.4.2〜昭22.4.1 昭25.4.2〜昭27.4.1 63歳
昭22.4.2〜昭24.4.1 昭27.4.2〜昭29.4.1 64歳
昭24.4.2〜 昭29.4.2〜 定額部分は支給されません
*夫の誕生月は昭和18年4月、私は昭和21年4月です。

B−2表:M氏夫妻の年金受給年表


現在
年月 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
H.15.4 H.16.4 H.17.4 H.18.4 H.19.4 H.20.4 H.21.4 H.22.4 H.23.4 H.24.4

M氏
年齢 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳 66歳 67歳 68歳 69歳
共済年金 特別支給の退職共済年金 老齢共済年金
厚生(国民)年金の老齢☆☆基礎年金へ移動 ☆へ
× 加給年金(組合加入期間が短い為、資格なし。20年以上で支給される。)
一部停止中
厚生年金
国民年金
*(60歳迄の加入期間で年金額を算出) *年金額の再計算(60〜65歳の加入期間を加算)
特別支給の老齢厚生年金  報酬比例部分 老齢厚生年金
同上  定額部分 老齢基礎年金 ☆
(共済年金の老齢基礎年金部分を加算) 
A配偶者加給年金 ×A配偶者加給年金 △へ
×(Bの振替加算)  ◇
全停止中
注3 注3
年 齢 57歳 58歳 59歳 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳 66歳
厚生年金
国民年金
特別支給の老齢厚生年金 報酬比例部分 老齢厚生年金
同上  定額部分 老齢基礎年金
B配偶者
加給年金
◇へ
×(Aの振替加算)
年金受給中
注1 注2 注3 注3

注1:60歳到達で、3号打切り、さらに掛けたい場合は任意加入の1号国民年金を掛けることも可、また会社勤めをすれば、厚生年金(2号)の加入となる。その場合65歳時に年金額の再計算が行なわれる。


注2:配偶者加給年金の受給条件

○ 本人が特別支給の老齢年金の受給資格があること。
 65歳未満の配偶者と引き続き生計を維持している場合。(本人が定額部分の支給開始年齢に到達した時点で)
○ 配偶者(夫)の前年の年収が850万未満であること。
○ 配偶者(夫)が年金を受給している場合、年金が全停止であること。
○ 配偶者(夫)が共済年金を一部停止中であるが、加給年金を支給されていない。(組合加入期間が短いため)
○ 配偶者(夫)が65歳になるとなくなります。その際条件がそろえば、配偶者に振替加算がつきます。


注3:振替加算について

○ 夫婦それぞれ条件が満たされれば、夫には妻扶養のための配偶者加給年金(A)が、妻には夫扶養のための配偶者加給年金(B)が受給できます。
○ 65歳の老齢年金受給時には加給年金がなくなり、それぞれ配偶者に振替加算が付与されます。
○ 振替加算は加入期間が240月未満でないと受給できません。
  従ってM氏夫妻の場合、夫婦共振替加算はありません。

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