地上に降り立つと満足感で気分最高となりました。南国の太陽、南洋植物の芳醇な香りを含んだ風が気持ちよく私を刺激します。
私の様子をじっくり観察し、できるかぎり操縦を任せてくれた名教官パイロットに駆け寄り、両手で握手をして心から感謝の言葉を述べました。
事務所に戻ると女性社員がオレンジジュースを用意してくれました。私はそれに飛びつき狂ったように飲みました。
これには訳があります。実はここだけの話なのですが、私は昨日、「初フライトだ!」と飛ぶ鳥も落とす勢いでグアムにやってきました。ところが夕方から様相は一変しました。「やっぱりやめようか」という考えが急騰してきたのです。
すっかり元気がなくなりました。飛ぶのが怖くなったのです。5千円もする夕食でしたが箸がほとんど進みません。大好きなステーキにも顔をそむけました。ため息がつづきます。
何とか寝ましたが早朝覚醒です。私の泊まっているPICホテルからの景色は最高です。ベランダのベンチにゆったりと腰掛けて夜明けの景色を眺めることにしました。
左には高級なヒルトンホテルが見え、正面は遠くにサンゴ礁があり大きな波がそこで止められていて「ザー」という連続音が聞こえます。サンゴ礁の内側の海はホテルのきれいなプライベートビーチまで鏡のように静かです。海水は薄い青色で透きとおり底まで見えています。
ホテルの中庭にはプールがあり椰子の木、プルメリア、ブーゲンビリア、南洋桜に囲まれ鳥の声までして楽園のようです。右側には恋人岬が大きく突き出ています。
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