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2打目は見た目以上の左足下がりですからボールは右に出ます。5番アイアンをもって、やや左目にアドレスしました。左足下がりは普通に打つと必ずダフります。体を傾斜に対して垂直に立てるようにします。左足に体重がかかります。それから、ボールはいつもより一個分右に置くようにアドレスすることも忘れてはなりません。バックスイングをしてグリップが右肩にきたところでグリップエンドをボールに向けて振り下ろします。後はフィニッシュまでクラブヘッドが仕事をしてくれます。ここで何もしないのがナイスショットのこつです。ただ左足下がりですから、地を這うようなボールを打つイメージを持たなければなりません。すばらしいショットでした。
100ヤードを残すつもりだったのですが、飛びすぎて60ヤードとなってしまいました。厄介な距離です。その場所は気がつきにくいのですが強烈な左足下がりです。こんなところで60ヤードのコントロールショットをするのは至難のワザなのです。アプローチウェッジを使い、バックスイングでグリップをわき腹の高さまで持ってくると60ヤード飛ぶことはいつもの練習で熟知しています。
ところが、左足下がりですから距離が出ます。その上、グリーンは最初すこし受けていますが、全般的には奥に向かって下っている「逃げグリーン」です。ワンオンさせたら必ず奥にこぼれてしまいます。下り坂からグリーンを見ているので受けグリーンに見えますが、この錯覚が落とし穴なのです。45ヤードで打つことにしました。
バックスイングでのグリップの高さは腰の位置です。素振りを繰り返してアイアンが芝に触れる位置を確認してボールがそこにくるようにアドレスしました。頭の位置を上下左右にぶれないようにしつつ地を這うようなボールを打つことをイメージしました。ダフらない打ち方です。心臓の音が聞こえます。息を吐きながらバックスイングを始動します。ボールはグリーン手前でワンクッションしてピン手前8ヤードに着きました。
カップまでは上り坂でしたがカップを過ぎてから下りになっています。要注意ですので神経を使います。慎重に打ったのですが、上りということで強めに出てしまい、カップを3ヤードもオーバーしてしまいました。返しのパットは周りの景色から下り坂に見えるのですが実は上りなのです。ややスライスラインに見えましたが勇気を振り絞ってまっすぐ強く打ちました。ほどよいスピードで気持ちよくカップインして「パー」です。
このホールの反省点はドライバーの引っかけとセカンドショットのクラブ選択ミスです。引っ掛け対処法は訓練していますからすぐ直りました。問題はクラブ選択です。485ヤードのロングホールですからドライバーで220ヤードを打つと265ヤード残ります。アプローチの距離としては、ピッチングウェッジのフルショットができる100ヤードを残すのが一番よいとされています。
女子プロの不動裕理さんがよく使う手です。このためにはセカンドで165ヤード打てばよいのです。打ち下ろしですから150ヤード飛ぶ7番アイアンで十分でしょう。今回はミスショットをおり込んで大き目の5番アイアンを使ったのですが、最新鋭このクラブには、その心配は不要でした。ウッドで攻める方法もありますが、左足下がりでのウッドは難しいのです。ダフり、トップが頻発します。飛んでも方向性が悪いのです。
弾着予想点の400ヤード付近を見てください。右からはとなりのコースが迫ってきています。左にはバンカーがあり、さらにOBの谷が迫ってきています。運よくフェアウェイ真ん中に行ったとしても左足下がりでのコントロールショットという難しい場面が待っています。コンペのときの第2打はアイアンが安全です。
OUTが終わり10時半ころクラブハウスに戻ると「スルーですからすぐ出発してください」と言われ驚きました。腹が減ってしまいますのでレストランに駆け上がって弁当を交渉しました。すぐはできないとのことでしたが、マスターの機転でパーティー用に作ってあったサンドイッチを急遽分けていただくことになりました。800円です。4人分の弁当を持ってクラブハウスを出るとパートナーは3人とも打ち終えて私を待っていました。
こういうときこそ、呼吸を整え、いつものルーティーンを忘れてはなりません。フェアウェイ左にナイスショットです。青空が見えはじめ太陽もさしてきました。絶好のコンデションです。カートに揺られながらサンドイッチを食べました。ハム、ツナ、タマゴ、ポテトサラダなど9種類があり豪華です。3ホール目で食べつくしました。
薄い砂の下は粘土という1 5番ホールのバンカーで3回たたいてトリプルになりましたが、その他は、ほぼ思いどおりのゴルフができてすばらしい一日でした。私の度重なるスケジュール変更を柔軟に受け止めてくれた田中幹事、いつもお世話になっている長谷競技委員長、そして、とても楽しい18期の皆様に感謝です。
帰りのフェリーでは大宴会でした。前回は馬が当たらなかったので配当が繰り越されました。相当の金額です。朝のフェリーで私が集金したのですが、今回は馬の売り上げが通常の2倍ありました。結果は、陸行組みから長谷君、フェリー組みから河村君と2名が配当を分けました。相当な金額です。
河村君が、「フェリーでのパーティー代は俺が持つよ!」と音頭を取りました。それを聞いた山田君が、ニアピン賞、BB賞など、もらった賞金すべてを差し出し、「これも使ってくれ!」と河村君に渡しました。陸行組みの長谷君までもがフェリー組み用にご祝儀を出すと言います。
優勝したのは私ですが、「松木!金を出せ!」と言う人はひとりもいなく見向きもされませんでした。こうなると寂しく、「私も出すよ!」と、自分の中ではまだ納得していなかったのですが、口が勝手にしゃべってしまいました。こんなわけで、いつもよりも豪華なパーティーとなったのです。
金谷港の屋外売店で安くて新鮮な野菜を買ってからフェリーに乗り込みましたので私が最後になりました。階段を上ってゆくと、テーブルつきのソファーの特等席でみんながソフトクリームを笑顔で食べていました。いつもの光景です。私の分は坂倉君が左手でしっかり持っていてくれました。
しばらくすると河村君が重そうな買い物袋を両手にさげて階段を上ってきました。テーブルの上には、紅茶、オレンジジュース、お茶などのペットボトル、大きな牛乳パン、中国産でなく千葉産の高級ピーナッツが並びにぎやかになりました。中島君が大好物の牛乳パンをあせって食べたものですからむせ返ってセキが止まりません。この年を忘れた少年のような行動がほほえましく笑いをさそいます。
18ホール連続のスルーの感想、総丘の砲台グリーンの攻め方などで話が盛り上がっているうちに、いつのまにかフェリーは出港していました。行き合い船が多くフェリーが大きく蛇行を繰り返しています。そぐそばをタンカーが横切ったので、「今はこちらが権利船かなあ!」と質問すると、みんなの顔が急に精悍になり真剣に説明し出し、しばしの間、「海上衝突予防法」、「海上交通安全法」の討論会となりました。プロの皆様の言葉には重みがありました。パッティングもこれくらい真剣にやったらよいのですが。
話題は18番ホールのドラコン賞に移りました。ドラコン賞の旗はとんでもなく遠くに見えましたので、私はあきらめて、いつもどおりに全力の30%の力でスイングすることにしました。右のラフで権利はありません。坂倉君がみごとなショットをしました。あの遠くの旗に近づいてゆきます。池田君がさらに大きく飛ばしましたが左ラフです。角田君は堅実にフェアウェイを捕らえていました。ドラコン賞の旗を見ると「山田」と書いてありました。
坂倉君が少し勝っていましたが、ほとんど遜色がありません。坂倉君は6番ホールで信じられないような長距離でドラコン賞を獲得していましたので、私は、坂倉君のその後のスイングに注目しました。インパクトからフィニッシュにかけてのスイングが伸び伸びとして大きいのです。これで距離が出るのです。山田君のスイングはアウトサイドインですから基本的に大きなスライスが出るはずです。ところが、あのデカヘッドのドライバーは慣性モーメントが大きく、ヒットするときにヘッド面が安定しているので、スライスを吸収してくれます。それに抜群の身体能力が加わってあの長距離が出るのだとおもいます。
議論が白熱してまとまりがつかなくなりましたが、阿部君が、「結論としては、坂倉はフォームで飛ばし、山田はクラブが飛ばしてくれたんだな!」と締めくくりました。阿部君の意見は7対1で可決されました。もうフェリーは久里浜の岸壁にもやいを投げています。
なんと楽しいゴルフコンペでしょうか。次回はもっと腕を磨いてべスグロ賞に挑戦します。
松木
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