近況レポート
 

近況レポート目次

前ページ

次ページ

潜水艦「あきしお」の空中回航 呉特派員 (H18.9.24〜26)


フローティングクレーンの喫水線に注意! 吊上げ開始後35分の時点ではほぼ水平です



5隻のタグボートに曳航され、川原石西埠頭に到着


呉市宝町の海上自衛隊呉史料館(仮称)に展示する潜水艦「あきしお」(2250トン)の陸揚げが、9月24日から26日未明にかけて実施されました。

海自呉史料館は来年4月オープンの予定。



吊上げ開始前。吊上げワイヤーは32本


写真の説明

「武蔵」:世界最大級3,600トン吊起重機船。

 主巻定格荷重=3,600トン
 総屯数=15,238
.09トン


フローティングクレーンでの吊上げ準備作業



吊上げ開始から35分後


潜水艦「あきしお」は退役後、Sバース、Dバース(昭和埠頭)に係留されていたが、5月19日に曳航されIHIMU造船所に、6月28日にはドック入りして展示用に改修工事を行っていた。

造船所では、右舷側に2ケ所の出入り口の設置・ハッチの溶接・スクリューや計器類のダミーとの取替え等々を行ったもようである。



写真の説明


吊上げ開始から45分後、水切り寸前かと思いきや、その後潜水艦に溶接された据付け架台が水面に現れる。

この時ワイヤーの玉掛け等吊上げ方法を理解した。

またこの架台があった為、川原石西埠頭迄の曳航にタグボート5隻が必要だった(私の推測)。


吊上げ開始から45分後



吊上げから60分後、水切り寸前


写真の説明

吊上げ開始から62分後、水切り直後。

フローティングクレーンの喫水線に注意!面側が沈み、艫側が上がって前のめりになっていている。



吊上げ開始から62分後、水切り直後



写真の説明

吊上げ開始から75分後。吊上げほぼ完了。

その後岸壁上へ水平移動。

水平移動はクレーンブームを下げるのではなく、フローティングクレーン自体をウインチで岸壁によせた。

(「陸上のクレーン作業とは違うなー」と思った。小生も玉掛、移動式クレーン、天井走行クレーンの免許を持っている。)


吊上げ開始から75分後。吊上げほぼ完了



岸壁上に移動完了


陸揚げ初日の24日(日)は、川原石西埠頭まで5隻のタグボートで海上曳航し、世界最大級フローティングクレーン「武蔵」で岸壁に吊り揚げられた。



25日(月)は川原石西埠頭から、フローティングクレーン「武蔵」で潜水艦「あきしお」を高さ25メーター以上に吊り上げたまま大和ミュージアム西隣の宝町埠頭まで、約2キロを海上移動。

午前10時20分から陸揚げ、76メートルの船体を17台の連結された台車(ドーリー)に載せた。


岸壁上に吊りおろし完了



岸壁上に吊りおろし完了。このあと潜水艦「あきしお」の船体洗浄が行われた



築地沖を川原石から宝町に空中移動する潜水艦


史料館まで200メートルの移動は午後11時半から行われ、付近は22時から翌朝5時まで交通規制が行われ、史料館前の信号器も取り外されたようである。

小生は立ち会わなかったが26日01時ごろ、潜水艦「あきしお」が無事、史料館前の基礎上に降ろされドーリーが離れた瞬間、期せずして見物の市民から大拍手が沸き起こったそうです。



24日正午からテレビに頻繁に陸揚げ作業が映しだされたので、呉市民の関心も高く、好天気が続いたこともあり、カメラを片手に「あきしお」吊上げ作業を見逃さないようにと付近一帯は見物者で溢れた。

24日の川原石埠頭では呉在住の期友山田ご夫婦ともお会いできた。


潜水艦「あきしお」は画面右から左へ移動。



大和ミュージアム沖。ここでスイッチバックし、前進右折して宝町埠頭へ



空中移動する潜水艦「あきしお」


空中移動する潜水艦「あきしお」


写真の説明


空中移動する「あきしお」は、いずれも大和広場の大和測距儀付近から撮影したものです。



小生こと呉特派員は、24〜25日にかけ、二度とはお目にかかれない世紀の一瞬を目に焼き付けようと、潜水艦「あきしお」のオッカケを行った。

デジカメ2台と予備のバッテリー・メモリーカード、お茶とアメを携帯しての長時間行動であった。


空中移動する潜水艦「あきしお」



空中移動する潜水艦「あきしお」


幸い2日間とも好天気に恵まれ、絶好のカメラ撮影日和であった。

あとは腕と忍耐と撮影場所確保にかかっていた。

腕はいまさらどうすることも出来ないが「ヘタなテッポーも数撃てばあたる」の格言どおり、数多く撮ることでカバーすることにした。



写真の説明

移送台車は、ユニットドーリーを3列に17両(6軸車×9両+4軸車×8両)を連結。

総タイヤ数688ケ(1軸にタイヤ8ケ)。動力はバッテリー(バッテリカーを連結)。

コンピュータ制御によるモジュール工法で移送する。


移送台車



台車(ドーリー)上に積み下ろし作業


写真の説明

台車上に乗せるまでに、クレーンの微調整が長時間続いた。

ウインチによるクレーン船台の前後左右の距離調整、クレーンによる4点の高さ調整をして、ドーリー上に正確に積載しないと、史料館の基礎上に据付ができない。



ワイヤー、シャックルと架台の取り合い
(玉掛け)


ワイヤー、シャックルと架台の取り合い
(玉掛け)



台車上に乗せられた潜水艦「あきしお」。大和広場から撮影



ちなみに撮影枚数は289枚でした。

デジカメだから素人の私にもできたワザです。

フイルムカメラならこんなに数多く撮影出来なかったことでしょう。

場所取りは、友人と携帯電話でその場面、場面に情報交換を行って、最適な撮影場所確保に努めました。



史料館の潜水艦「あきしお」据付基礎



建設中の史料館。展示用潜水艦との出入り口2ケ所


潜水艦「あきしお」には数多くの期友がかかわり勤務されたことでしょうから、竹村君のホームページに投稿することにしました。

在りし日の「あきしお」との係わり合いを思い出す一助になれば幸いです。




反省としては2台のカメラの時刻を標準時計と合わさなかったことです。

これが原因であとから写真整理に苦労させられました。

カメラの時刻はそれぞれ数年前の購入時に設定されたままであった。「ハンセイ!」です。


宝町埠頭からの史料館と「あきしお」
右後方は「ゆめタウン(いずみ)」



基礎上の潜水艦「あきしお」(艦首側)


基礎上の潜水艦「あきしお」(艦尾側)



「ゆめタウン」大和ミュージアム側玄関からの「あきしお」


*陸揚げ予定表


9月24日(日):

09:00〜10:00 

 展示用潜水艦「あきしお」曳航作業


14:20〜15:00

 展示用潜水艦「あきしお」吊り上げ作業




「ゆめタウン」屋上からの「あきしお」と建設中の史料館



25日(月):

08:00〜 9:00  

 海上クレーン(潜水艦吊り上げ)移動


10:20〜11:20  
 
 展示用潜水艦をドーリー上に積載


23:30〜1:00  

 海自呉史料館(仮称)への搬入


「ゆめタウン」と「呉中央桟橋・大和ミュージアム」
連絡通路からの「あきしお」と建設中の史料館。



「海上自衛隊呉史料館(仮称)完成予定図」
工事中の史料館外壁に掲げてある看板

*交通規制 

時間 

9月25日(月)22:00〜翌朝5:30


場所
・かもめ橋横公園前〜中央桟橋入口交差点

・バブ日立工業ビル前〜大和ミュージアム有料駐車場前

*潜水艦「あきしお」は、船体全長76m、幅9.m、高さ10.m

         呉特派員

  目次へ  TOPへ 前ページ  次ページ