近況レポート
 

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雪原 岡本 (H19.12.30)


ワンマンの客車、ジィーゼル車で、野辺地駅から小川原駅に向かって雪原を走る。窓越しに後ろを見ると、ワンマン列車を追う様に雪煙が舞っている。

木立はまばら、雪原には何もない。

石川啄木、高浜虚子達が、青森への旅で、車窓から心の癒しを感じながら数頭の牧牛の姿を楽しんだ様子があるが、今は、時代もさること、季節が異なりそんな風情はない。

ただ、緑も、森もなく、全く、生き物の生活活動は予測しがたい。雪原が広がるのみ、カラスの飛んでいるのを見て、何故かほっとする。


八戸方面に向かうお客さん、昔ながらに、スカーフ(昔は、手ぬぐい)で、ほほおかむりをして、長靴の底はゴム輪で止めている。

滑らない為の生活の知恵、楽しそうに会話するのを聞いていると、懐かしい地方弁、むつ市(大湊)勤務が思い出される。

ちょっと可愛い犬を飼っているらしい、目の玉がなんと可愛いことか、目の玉を見ていると何も忘れる。・・・なんも、めんこい犬だもん!と言った会話、話しは、何でも楽しく話すと面白く、愉快になるもの、思わず聞き入ってしまった。


雪原はもう無く、町並みが近くなって来る。八戸駅近くの食堂で、海鮮丼セット(海鮮丼、小鉢、八戸ラーメン、そして、コーヒー付)740円を食べ、東北新幹線で東京へ、花巻温泉、栗駒高原、福島の吾妻小富士と車窓から見て、そこらを想像。ちょっと見えることが、なお想像力を高めて楽しい。

ただ、呆然と眺めるだけで何もない雪原の楽しさ、静けさ、厳しさ、自然美、いつまで残るのか、是非いつまでも残って、旅情を与えてほしい。山の中腹にスキー場か、明かりが煌々と灯り、ナイターを楽しむスキーヤーが見えるような気がする。あの雪原にはどんな夜が来ただろうか。

                              岡本

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