近況レポート
 

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駅からハイキング(文学浪漫の香りあふれる街を散策) (H25.1.21)


東京都水道歴史館



江戸の水売り



御茶ノ水駅

東京都内各ビルのコーナーには雪があり、先日の大雪がその跡を残している。

JR御茶ノ水駅から近く、順天堂大学横、東京都水道歴史館を出発、文京区:小石川〜白山〜向丘〜弥生〜本郷〜湯島、文学浪漫の香りあふれる街を散歩。



櫻木神社



町通りの旧家


本郷三丁目交差点から櫻木神社、文京ふるさと歴史館そして、旧真砂町へ。

泉鏡花の「女系図」の一節、恩師の真砂町の酒井先生で良く知られている。

このあたりは、江戸期、松平右京亮の屋敷、その後草っぱらとなり、富田常雄の名作「姿三四郎」で、三四郎と源三郎の対決の舞台となった所。


旧真砂町



炭団坂

その先に、炭団坂、この坂の上を登りつめた右側の崖の方向に坪内逍遥が住み、「小説神髄」、「当世書生気質」を発表した。

当時、炭団坂は手すりもなく、難儀な坂であったと想像できる。



旧伊勢屋質店(蔵)


坂を下り、狭い通りを抜けると少し広い道路、右手の方に、樋口一葉が苦しい家計をやりくりするため、度々通った質屋、旧伊勢屋質店があり、白い土塀の蔵が残されている。

その先には、昔懐かしい喫茶店「山小屋」がある。側には、残雪が残っている。

60年代には、どこでも「山小屋」と言えば、学生さんの憩いの場所でもあった。

東京オリンピックが思い出される。


山小屋(喫茶店)



文京シビックセンター

文京シビックセンター(文京区役所が入っている高層ビル)からは、富士山、筑波山まで見渡せる。

東京ドーム横の小石川後楽園は、すぐ下に見える。



新宿方面


こんにゃく前交差点から源覚寺へ。

鎌倉時代の作といわれる木造閻魔王坐像が本尊。

閻魔像は右目が黄色く湯いている。信じ深い眼病の老婆に己の右目を与えたと伝えられている。老婆は感謝し、自分の好物の「こんにゃく」を供え続けたとの言われがある。

毎年7月には、「ほうずき市」で有名、江戸から今日まで続いている。


こんにゃくえんま



閻魔大王(上手く撮れませんでした)



縁受院

伝通院への坂道には、縁受院(信州の善光寺の分院)がある、

境内には、松尾芭蕉の句碑、「一しぐれ礫や降りて小石川」とある。

この界隈は、幸田露伴、徳田秋声、島木赤彦、古泉千樫ら文人、歌人が住み暮らしていた所。



伝通院


伝通院の墓地には、徳川家康の生母於大の方、千姫、幕末の志士清川八郎(浪士隊の創設者、新撰組に関係)、眠狂四郎無頼控で有名な柴田連三郎の墓地がある。

徳川将軍家の菩提寺であり、徳川ゆかりの女性たちの墓所。

7月には、「朝顔市」で賑わう。


伝通院



於大の墓


葵の灯篭



安藤坂



永井荷風(表示版)

伝通院の前から安藤坂(安藤飛騨守の上屋敷があっことから)。

神田川に下るこの付近、永井荷風生育の地で、江戸末期から明治期の香り。



北野神社


北野神社(牛天神)、鎌倉時代の源頼朝がここで休息したところ。

牛に乗った菅原道真公が夢に現れたことから、のちに腰掛け岩を祀ったのが始まり。 

この岩を撫ぜると願いが叶ったと言われる。


北野神社



撫で岩


撫で岩



神木「木斛」



太田神社

鳥居のそばに紅梅が咲き、春が近いと告げている。

神木「木斛」(もっこく)があり、これが木斛という字と初めて知った。

太田神社が境内にあり、芸能の神で、昔は、歌舞伎役者、芸能者等が参拝、得意の芸を奉納したそうである。



トッパン印刷ビル


トッパン小石川ビル(印刷記念館は休館、1階のギャラリーは見ることできず)を過ぎて、旧第六天町。

徳川慶喜が移り住み、波乱の一生を終わった所。

今井坂は、慶喜が生まれた小石川の水戸屋敷に近いため、この地を愛した。


印刷博物館



旧六天町



慶喜住居跡



今井坂

播磨坂さくら並木(松平播磨守の上屋敷があった)。

江戸期、千川(小石川)の流れる低地。

「播磨田んぼ」が広がっていたことから、新しくできた坂を播磨坂と呼ぶようになり、昭和35年、全区を「花でうめる運動」で植えられた若木が、今や、見事な桜木になっている。



播磨さくら並木


ベンチでチョコレートを食べながら、休息。

先日の大雪、誰が作ったか、「雪だるま」が残されている。

雪だるま



東大「小石川植物園」



御殿坂

東大の植物園(休園で入園できず)の横が御殿坂。

この坂の上に白山御殿があった。

五代将軍綱吉、将軍就任前の御殿、白山神社の前にあったため白山御殿と言われた。



御殿坂


また、地名をとり小石川御殿とも言われた。

後に、幕府の薬園。

享保7年(1722)、園内に「赤ひげ」で有名な「小石川養生所」が設けられた。


旧白山町



白山神社

白山神社、農耕、水の神様。

綱吉の生母桂昌院の信仰を受け栄えた。

神社の門前町として栄えた名残が大いに感じられる街筋が、前に広がっている。



東大銀杏並木、時計台



東大時計台


東大の時計台、赤門(旧加賀屋敷御守殿門)、東大の売店でデジカメの乾電池を購入。

売店近くの部屋には、数台のパソコンあり、学生さんが、盛んに論文か?、入力、思考している姿を見る。


東大、赤門



日本一たい焼き

東大近くに日本一の「たい焼き」屋さんあり、風来坊(Tさん)のおすすめ。

塩味の焼小豆あん、小豆あん各一個(150円)を買い求めた。

駅からハイキングのパンフを提示すると格安となった。

なんか、うれしい気分!



湯島天神


湯島天満宮で食べる予定でまたまた散策。湯島天神、菅原道真公が祀られており、合格祈願、願掛けで賑わい、露天商も出て、大きな縁日の様だ。

泉鏡花の「女系図」の一節、湯島の白梅で、「切れるのッて、そんな事は、芸者の時に云うものよ。・・・私には死ねと云って下さい。」の舞台。

泉鏡花の筆塚の碑を見ながら、合格甘酒を飲みながら、たい焼きを食べる。
少しの塩味が絶妙に旨い。満腹。


筆塚



霊運寺



サッカーミュジアム

霊運寺(将軍綱吉の厚い信任を得た)を見て、日本サッカーミユージアムを経由、いよいよ最終地、湯島聖堂(御茶ノ水)。

儒学者、林羅山の廟殿・家塾、幕府の昌平坂学問所が開設された所。



湯島聖堂



孔子像



湯島聖堂(聖橋から)


聖橋を渡った森の中にある。

孔子像もあり、学問発祥の地でもある。

文学浪漫の散歩、風来坊(Tさん)に聞いてみた。

20,700歩、5時間15分散策とのこと。

元気で歩けたことに感謝!


         岡本


御茶ノ水付近


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