近況レポート
 

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北アルプス登山 (H26.8.16〜8.18)


雨の大正池



徳本峠小屋

有名な山案内人、故上條嘉門次の案内で英国人宣教師ウォルター・ウェストンが、上高地から、北アルプスを探検し、著書「日本アルプスの登山と探検」(1896年、明治29年)で、この地、上高地などの魅力を世界に称讃しています。

まさに、北アルプスへの入口上高地。ここは、登山家の憧れる槍ヶ岳、穂高連峰などのへ登山口がある。梓川に沿って、大正池、嘉門次小屋、河童橋を過ぎ、明神館を少し過ぎ所から徳本峠を目指し登山を始める。

生憎の悪天候で雨着を着て、黙々と登る。
前回(2年前)、南アルプス登山で豪雨を経験しているので雨対策は十分。台風11号を避けて、一週間後に再チャレンジしてきたのだが、思いのほか悪天候。

これも登山の一部。徳本峠小屋に到着、乾燥室に濡れた雨着、下着等を吊り下げる。着替えを終えて、ほっとする。


食堂で缶ビールを飲む、絶品かつ、美味しい。夕食は、17:30から、もちろん入浴設備はなし。約30分、意外と狭いが暖かな山小屋のベッドで仮眠した。

夕食は、鮭の蒸し焼き、ソーセージ、山菜、味噌汁、赤いごはん(五穀米?)、食堂のテーブルの上に出されている鍋、御櫃からそれぞれに、味噌汁、ごはんを自分で取りよそう。
白ワイン(500円、ボトルは1500円)を飲みながら、友人と泊り客1人の計3人で、山の話。

日本百名山の話、泊り客人は、すでに88か所の名山を登ったそうだ。



穂高連峰の全景が見える


朝食は05:30。昼弁当を依頼し就寝、激しい雨音が聞こえる。明日は如何に。

翌朝、06:00。雨の様子を見て、少しは、小降りとの判断で、大滝山(2615m)に向かう。

約6時間後、大滝山山頂に到着。山頂直前の登り約500mは、かなり厳しい登山。

素晴らしい高山植物、見事なお花畑を見た、これがなかったら、かなりへばってしまっただろう。


槍ヶ岳が望める



穂高連峰と大キレット


大滝山山荘にたどり着く。山荘には、登山客は一人もいない。
雨宿り的に、入り口を借りて、昼弁当(徳本峠小屋から朝リックに入れてきた)を食べる。雨は、少し小雨になってきた。

雨が上がってきた様子。山荘で働いている若い女性二人、4月から11月ころまで、この山荘で働いているとのこと。

靴を履いたままで、山荘入口の板の上に腰を下ろしていると、蚊取り線香まで焚いてくれた、本当に山が好きなのだろうと思った。

山荘の従業員だけは、ドラム缶で2日に一回入浴が出来るそうだ。


ペットボトルに水(200円)を入れて、蝶ヶ岳(2677m)へ。
今夜は、山頂近くの、蝶ヶ岳ヒュッテ泊の予定。

雨が少し上がり、一瞬の間だが、穂高連峰、常念岳が見える。感動もの! すぐに、白いガス、霧がこの瞬間を遮ってしまった。

靴に異常!右側の靴の底が突然はがれてしまった。どうしようか? 友人Kさんが、策はある!と話す。
持参していた赤い靴の紐を取り出す。これをもらって、慎重に靴底から結わい上げる。何とか歩ける。大いに助けられる。思いもよらぬ所でのトラブル、もし、一人であったらと思い、ぞっとする。

蝶ヶ岳ヒュッテの直前で、またまた、ガスと雲が流れ去り、穂高連峰、槍ヶ岳が見える、幸運なり、雨の中ばかりを登山してきた者へのプレゼントか? 靴のトラブルを忘れてしまった。
蝶ヶ岳ヒュッテは、徳本峠小屋より少し設備が良く、乾燥室も広い。泊り客も10名以上の様子。名古屋市立大学医学部の診療室もある。



ガス靄の中にご来光


翌早朝に、幸いにも一瞬のご来光を見る事が出来た。今日は、昼弁当を依頼せず、下山してから上高地付近で昼食の予定。06:00に出発、蝶ヶ岳経由、横尾山荘へ、かなり厳しい下り、山頂付近のハイマツが白いガスに吹き付けられている。

友人いわく、この様な状況下には、ライチョウが良く出て来ると話す。是非見てみたいものだ、残念ながらライチョウは現れなかった。

下山途中、また、トラブル、今度は、結わい上げている靴の後ろ側がはがれた。友人にもう一本の靴ひもをもらい、応急処置。厳しい下山を終え、横尾山荘へ到着。休息、靴の処置。


横尾、常念岳への案内表示



槍ヶ岳への案内表示

此のあたりは、気が付くと快晴。約1時間後、明神館で、とても美味しい天婦羅そばを食べて大満足、本当は、「岩魚の塩焼定食」の予定だったが、調理時間が、20分くらいかかるとのことで、天婦羅そばにした。でも、とても美味しくいただいた。美味しい水もいただいた。

登山を開始した3日前には考えられない綺麗な水流の梓川、聳える明神岳、上高地まで約11km、平地部を歩いている。靴の処置を再度点検する。



明神岳が聳え立つ


井上靖の小説舞台、「氷壁の宿」徳澤園の横の売店で、有名なソフトクリームを食べる。有名な地元食材のステーキ、ニジマスの塩焼、野菜サラダよりは、美味しい感じがする。

靴の状況を確認、上高地バスターミナルへ。無事、登山客で一杯のバスターミナルへ到着。今回の登山は、友人と靴ひもに感謝した二泊三日の登山だった。

そして、「肉体は衰える。山はある、されど、山は、年令相応に楽しませてくれる。」の一節が浮かんで来た!厳しかったが、楽しい登山を終えた。


                岡本


河童橋から雪渓が見える



雨上がりの梓川


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