近況レポート
 

目次

前ページ

次ページ

夏山 北アルプス鹿島槍ケ岳 (令和元年.8.5)


素晴らしい雪渓


長野県、大町扇沢 柏原新道登山口から篭川の清流の音を聞きながら登る。初日、種池山荘に宿泊予定。
高山植物を楽しみながら、小鳥の囀りを聞く、だんだんと清流の音が小さくなってくる、結構登って来たことになる。
北側の斜面に素晴らしい雪渓が現れる。汗が、だくだくと出るが、ふと、素晴らしい雪渓に見とれてしまう。

登山道の中でイタチの仲間、オゴジョが一匹現れた。リスの様であるが、少し黒色で、まさにイタチの様だ。少し歩きまわっていたが、すぐに林に飛び込み消えた、腹部が茶色の様に見えたが、かわいらしく、尾っぽの長いのが印象的だった。



登山道の案内板「水平道」


登山道の案内板に「水平道」と、表示が出てきた。体が参っているときに嬉しい表示、しかし、平坦な登山道は、数十メートルで終わりになってしまった。登りが続く。もう、清流の音は、まったく聞こえない。
今度は、鉄砲坂の表示あり、まさに急登。石の階段。周りは、ガスがかかり、稜線も見えなくなってしまった。この分だと、山荘では、立山連峰、剣山を見ることはできず、夜の星を見たりすることは出来ないかもしれない。



群生するコバイケソウ



山荘、種池山荘


群生するコバイケソウの向こうに、赤い屋根、種池山荘が見えてきた。嬉しい!5時間35分(約16,000歩)の登山。山荘のビール900円が待っていた。



雲海の中に「鹿島槍ヶ岳」



爺ケ岳中峯山頂



赤い屋根の山荘「種池山荘」が、下方に見える


翌日、05:30登山開始、爺ケ岳(南峯)頂上2,699m。そして、爺ケ岳の中峯を経由して、稜線を歩く、細い稜線沿いの登山道は、危険が潜んでいる。
ハイマツの中やザラ場、少し下ったところに冷池山荘が見えてきた。ここで、荷物を少し預けて、リックの荷物を少なくして、いよいよ鹿島槍ヶ岳を目指す。
バナナ、アンパンを食べながら一休みして、難所の布引山へ。ここから、稜線を下り、再度登りに入る。



紫色が綺麗なリンドウ



登山道に遊ぶ「雷鳥」


突然、雷鳥!との声が聞こえる。初めて見る天然記念物鳥の「雷鳥」だ。メス、雛を二匹つれている、逃げる様子もなく、警戒し、首を長くして、周囲を見回している。ザラ場とハイマツの境目、保護色で目立たない。



仰ぎ見る、「鹿島槍ヶ岳」


黄色いキンバイの花が揺れている。鹿島槍ヶ岳を見上げると、雲海がたなびき、山頂が見えたり隠れたりする。数名の登山者が登りつつある。
名古屋から来た高校生(26名)のグループ、元気よく、ぐんぐん登って行く、今夜は、同じ冷池山荘泊りと聞いている。若者は、元気で躍動している。

ついに、鹿島槍ヶ岳(2,889m)に登頂。ガスの切れ間に、南には槍ヶ岳、北に黒部連峰、剣岳、針の木岳が見える。
まさに、大パノラマ。種池山荘では、この素晴らしい山々を見ることができなったが、今見ている。素晴らしい!



鹿島槍ヶ岳山頂(2,889m)


最終日(3日目)、冷池山荘を早朝、05:30、下山を始める。下りは、かなり足に体重がかかり、つらい。
登って来た登山道を下っている。篭川の清流の音が、遙か下から聞こえてくる。しかし、まだまだ下方だ。体中に汗が沸いてくる、首に巻いているタオルで顔をぬぐう。
下山開始してから、6時間後、11:30に登山口(柏原新道)によろよろと帰着。

ゆっくり、リックを卸し、側溝に流れ出ている清流にタオルを漬けて、顔をぬぐう、冷たい、快感!
生きた心地とは、このことなり!急にセミの声が真夏を知らせてくれている。

              岡本


  目次 TOP 前ページ