近況レポート
 

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山行(北岳 3193m) (令和4年.8.3〜8.4)


北岳の雪渓


雷鳥やオゴジョ(イタチの仲間)に会えると良いのだが、芦安駐車場から、乗合タクシー(1500円)で北岳(白根三山登山口)登山口、広河原へ、夜叉神峠、かなり細く狭いトンネルを抜ける。
ちょうど1時間程度かかった。広河原山荘の食堂で、少し昼食には早いが、登頂前の腹ごしらえ。「ヤマトイワナ」は、南アルプスの宝と、記した看板が目に映るが、ラーメン(900円)を食することにした。

登山口から、少し歩くと、いきなり、つり橋、渡り切り、登山道に入る。
今日は、南アルプス市営の白根御池小屋(2,236m)を目指し、そこに宿泊予定。野呂川の清流の音が下に大きく聞こえる。
後ろを振り返ると、甲斐駒ヶ岳が、山頂付近の白い花崗岩(残雪の様)を輝かせ、悠然と見ている。鳳凰三山側から以前見たのと少し異なり、なにか荒々しさが感じられる。



高山植物の女王、コマクサ


登りのステップ、丸太の階段、登山道の樹木の根っこ、歩幅が広く下山には苦闘がありそうだ。足にかなり疲労感を感じ、数回の休息を取りつつ登る。
雪渓が見えた。北岳から切れ込み流れるような尾根の一部の沢、野呂川源流となる雪渓だろうか?
涼風を感じつつ、樹林帯を登る。少し平坦部を登ると「白根御池小屋」目前、広河原。

11:00頃、登頂開始、到着14:40、約4時間登って来た。
ぐったり、清水が無料で提供されているのに感激! 喉とボトルに清水を流し込む。
明日は、午後から、天候が、崩れるとの予報。早朝に登頂開始し、北岳を目指すことになるだろう。



山小屋の朝食


翌朝、06:00(8月4日)、北岳へ。
10;40、「北岳、肩の小屋」(標高3,00m)へ到着。
今夜、宿泊予定。ここで、少し、リックの荷を軽くして、いよいよ山頂を目指す。
やっぱり、降雨、合羽を取り出し、リックにもカバーかけながら、雨対策。

雨着に着替え、登山開始。
北岳山頂が、白いガス雲の中に見える。雨が、幸いにも上がりそうだ。
バットレス(元は、建築用語:控壁、Buttress )が、北岳にへばりつき連なっている。岩場、鎖場を無時通過、濃鳥岳、間ノ岳から北岳に至る。
切り立った尾根を眼下に見ながら、ふと、見上げると、山頂が、見えてきた。
老練な山岳人と呼ばれた、上條嘉門次の言葉、「山は猫の様に歩け、石一つ落とすな」を思い、14:10北岳山頂(明治37年まで、白根岳と呼称されていた。3,193m)に登頂。



北岳山頂、3.193m、富士山に次ぐ第2の高峰


少し晴れ渡り、八ヶ岳、中央アルプス、北アルプス、御岳が眺望できる。
雄大な稜線が連なり、絶景! 目前は、仙丈岳、甲斐駒ヶ岳だ。
英国人宣教師、W.ウエストンや日本人登山家の小島烏水(横浜商業学校卒)達が日本アルプス(Japanese Alps)として世界中に紹介したのは、この様な絶景だったかもしれない。



「北岳の肩」から富士山がほぼ水平に見える


下山、足が笑っていますよ!と休息中の婦人達に話すと、にぎやかで、素晴らしいですね!とユーモアが、すぐ帰ってきた。
山小屋では、歯磨きをしていると、歯磨きはしてはいけないのですよ! 水が大切ですから。
そして、下山中(大樺沢二俣経由)、よれよれで、第三ベンチ前の登山道に腰かけていると、「せっかくですが、そこは登山者の邪魔になる。こちらへ!」とアドバイスを受けた。
山のマナーがまだまだ、たくさんあるのだろう。
マナーの極意とは、思いやり、そして、人、自然への愛しさだろう。

連なる山並み、樹林美が一杯。耳には、イワヒバリの声。
素晴らしい山行、雷鳥、オゴジョに会えなかったが、山岳美、良き登山者に出会えた。
再び、野呂川の瀬音が聞こえて来た。

 平成4年8月7日   岡本

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