近況レポート
 

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初春大歌舞伎 (H22.1.6)


歌舞伎座正面



賑わい:銀座4丁目


歌舞伎座(東京、東銀座)は四月公演で打ち切られ、劇場とオフイス棟の複合建設となるため、その間、新橋演舞場等で公演されるとの事、一度も歌舞伎に触れたこともないので、伝統の文化にまず触れることで、何かあればと、歌舞伎座に出向きました。

昼の部1「春調娘七草」、2「梶原平三誉石切」、3「勧進帳」、4「松浦の太鼓」の四幕で構成された公演を観劇。

10:30開場、11:00開演、16:00終演でした。


10:30丁度の歌舞伎座、すでに大勢の観劇入場者でごった返し、一幕のみの観劇希望者が意外と多く、列をなしている。

一幕のみのチケットがあることを初めて知りました。


歌舞伎座前では、入場前に弁当を歌舞伎茶屋や売店で買う人達で活気、値段は1,500円から6,000円程度、座席でも幕間に食べられるが、予約により、特別の食事処に準備されるので、やはり幕間にそこへ出向き豪華弁当を食べることが出来る。


初春大歌舞伎(歌舞伎座)



歌舞伎座さよなら公演 あと111日


入場してみると、弁当の茶屋が一番人気、そして、吉兆、人形焼き、どら焼き、羽子板店、呉服小間物店等があり、江戸の何処か、神社の縁日のような盛況さが想像できる。


一番安い弁当(1500円)、お茶を購入し、3階A席へ、もちろん座席は、桟敷席、1等、2等があります。


1等のチケットは、22,000円と高価。3階A席の6000円を前売りでかろうじて入手していたので3階へ、舞台左手の花道の三分の一(舞台側)しか確認できない場所、三階の座席、天井を見ると、ほんの直ぐ上に天井がある。

舞台は遙か下方に見える。

まわりを見ると外国人客、盛装したご婦人達、歌舞伎を見慣れた雰囲気を持つ顔なじみの仲間同士達が目に付く。


新年の挨拶が取り交わされている。


初春大歌舞伎開場



チケット売り場


高価な緞帳(三越、清水建設の刺繍あり)が引き開けられ、いよいよ開演、緞帳に続き、拍子木が打たれ、歌舞伎独特の緑(青)、黒、オレンジ、三色の縦縞の幕が引き開けられた。

一幕の後、約30分間(幕間)が丁度食事時間となる。

豪華弁当予約観客者への食事処への案内、呼び出しアナウンス、非常事態発生時の誘導案内等の説明等、急に喧噪な雰囲気。



観劇への集中、のめり込んでいるところから、一瞬、解放された普段の状況、一時の休息、昼食、おしゃべり、これも観劇の楽しみの一つ。

売店へ急ぎ出向く人達、用足しをすませ、席に戻る人達、幕間の残り時間が、舞台右端に掲示されている。

第2幕へと進んで行く。

梶原平三(松本幸四郎)が見事「石造りの用水入れ」を一刀のもとに切り裂く場面、真二つに割れる。かけ声がかかる(高麗屋!)。


歌舞伎座内の売店



松本幸四郎像(何代目?)


しかも、真後ろから(大向こう:舞台から一番遠くの意味)、どうも3階らしい。

かけ声は、大向こうからかけるのがマナーだそうだ。

常連の歌舞伎通、見巧者からタイミング良くかかり、舞台役者の高揚と観客の感動の高まりを沸騰させる。

成田屋、成駒屋、高麗屋、播磨屋!等、その声しか認識できなかったが、その他にも聞き取れないかけ声(「かけ声の会」があるそうだ。)がかかった。


歌舞伎役者が見得を切ると、絶妙のタイミングで、かけ声がかかり、舞台の場面と観客とが一緒になり頂点に達する。

いよいよ最後の第四幕、「松浦の太鼓」、忠臣蔵、俳人の其角(歌六)、大高源吾(梅玉)松浦鎮信(吉右衛門)と豪華な役者、松浦鎮信は、近習達と句会を催している。

軍学者山鹿素行の同門の大石内蔵助が吉良上野介を討たないのに業を煮やす日々、大高源吾(赤穂浪人)の妹(腰元のお縫)に暇を与えると言い出す。


歌舞伎座の廊下(休息可能)



歌舞伎幕間


折しも、隣の吉良邸から山鹿流の陣太鼓が鳴り響く、赤穂浪士の討ち入り!歓喜に涙、日頃からの期待感が爆発、助太刀する!と馬に乗り、勇み立つ・・・・・ かけ声!(播磨屋!)、日本伝統の文化に直接触れるのは、素晴らしい。

知らないまま、避けている分野にも輝いている箇所がある、とあらためて認識、初春を満喫しました。



          岡本


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