近況レポート
 

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夏山登山 涸沢岳&奥穂高岳 (H27.8.5〜8.7)


清流流れる梓川



河童橋から焼岳を見る



横尾大橋

夏山登山のメッカ、登山愛好家に人気のある涸沢岳、穂高連峰の最高峰、奥穂高岳(3,190m)を目指し、茶嵐に車を駐車。バスで上高地へ。

上高地―明神―徳澤―横尾山荘と徒歩約3時間。

徳澤の草原地にテント村が広がっている。
「氷壁」(井上靖著)の文中の宿、「徳澤園」も健在。


針葉樹林抜けると、横尾大橋。梓川にかかるこの吊り橋を渡ると、いよいよ登山道。

日本最大の岩場、屏風岩の右手を巻いて、涸沢ヒュッテ、涸沢小屋に向け、登り始める。約1時30分で本谷橋に出た。登山者達が梓川源流の岩場で休息している。


岩場の屏風岩



涸沢大カール



奥穂高岳



ザイテングラード、右手に上ると穂高岳山荘

ここからは、本格的な急坂を登ることになる。

雑木の切れ間から岩稜を楽しみながらひたすら登る。

リックの重さを感じる。ストック2本で体重を支えながら、足元に留意し、一歩一歩登る。

ストックワークが上手くなると、かなり膝の負担が軽くなり、体力の消耗を防いでくれるのだが。


鶯の声が聞こえる、夏鳥のキビタキ、そして、ホウジロ達が元気よく囀っている。


激しく、早く流れ下る清流の音が聞こえなくなった。

やっと雪渓に出た。ゆっくりと雪渓の側を登り、行動食(アンパン、チョコレート等)をとりながら、さらに登山道へ入り登る。

すると、穂高連峰の一角が見える。涸沢ヒュッテの赤い屋根の部分が見える。まだまだ登りだ。

しかし、少し安堵感が沸く。約1時間程度で到着しそうだ。

涸沢の麓で、テントを張っている人達の声が聞こえる様に感じる。


涸沢槍



穂高岳山荘から見る涸沢岳

上高地バスターミナルから歩き始めて、約6時間、涸沢ヒュッテに到着。

このヒュッテから、素晴らしい涸沢大カール、北穂高、涸沢岳、涸沢槍、奥穂高岳、前穂高岳を望むことが出来る。まさに、有名な人気の涸沢、穂高連峰だ。

この涸沢ヒュッテは、生ビールとおでんが有名とのこと、テラスでビールを飲んでいる登山者達の多くは、テレビ、写真によく取り上げられる、この目前に広がる絶景を見て大満足し、そして、一泊。翌日、下山するらしい。

今日の宿泊は、涸沢ヒュッテではなくて、涸沢大カールの右奥の涸沢小屋。残念!ここでビールを飲むわけにはゆかない。あと20分登ることになりそうだ。



笠ケ岳の雲海


翌日、早朝、05:45穂高岳山荘に向け、登山開始。それにしても、左手に見える奥穂高岳は悠然と大きく見える。

第一関門、ザイテングラード(支陵)が見える。岩場の登りが始まる。滑落事故の良く発生するところ。慎重にならざるを得ない。

もうストックは必要としない。手足で岩場をいかに掴むかだ、登山家には楽しい場所?

ガラガラと音がする、落石だ! 落石する状況はみ見えないが、落石の音が、数秒間聞こえる。恐ろしさを感じる。もちろん、初めての体験。


北穂高岳、残雪が北穂高のNを示している



ジャンダルムが見える

猿の群れがハイマツの中を飛びはね、抜けて行く。少し銀色の毛皮、動物園で見る猿よりも綺麗で、逞しい。

前方の登山者が、踏み外した際に小さな落石が発生、後続の登山者からクレーム!落石!と声を出せ!と声がする。登山者のマナーもこんなところにもある。

約3時間、苦闘の登山、穂高岳山荘に到着。

ここは、岐阜県。白出(しらだし)のコル(鞍部)2,996mに位置している。玄関側は涸沢大カール、長野県。裏側は岐阜県、笠ケ岳が望める。右手に涸沢岳、北穂高岳が連なっている。


休息後、いよいよ、奥穂高岳を目指す。鎖場、鉄の登り梯子、かなりの恐怖感が沸く。此の鎖場で断念する登山者、下を見ないようにして登ると言っている人。さまざま。

登り切って岩場に出た。

しかし、登りが続く、危険を伴っている。

ジャンダルム(フランス語:警官:転じて、尾根上の通行を邪魔する岩)3,163mが見える。そこには、ロッククライミングの技量がないと近づけない。


奥穂高岳山頂(3,190m)、富士に次ぐ二番目の高さ、
南アルプスの北岳(3,193m)をこの山頂は、石を積み上げ、
高くして、北岳を抜いているとか?



ジャンダルムに続くロバの耳



奥穂高岳山頂から見る上高地、赤い屋根と屋根の間に河童橋がかかる

ロバの耳、馬の背と言われる奇形,かつ、危険地帯。奥穂高岳山頂は近い。

穂高岳山荘に雨着類等を取り出して、置き、リックの中身を少し軽くして登ってきたので、比較的足腰が楽な感じ。

奥穂高岳山頂に到着、3,190m。

遥か下に、上高地が見える。赤い屋根と赤い屋根の間が、河童橋。芥川龍之介の小説「河童」に登場する河童橋は、遠く下界に沈んでいる。



常念岳方向から登る日の出


涸沢小屋から携行してきた昼弁当(お稲荷さん4個:1000円)を取り出し、食べる。格段の美味しさ。山頂付近は、風はなく、少しガスが沸いている。

今夜は、穂高岳山荘泊、明日早朝下山予定。

それよりも、この奥穂高岳を無事下山しなければならない。鎖場や鉄梯子が浮かぶ。無事下山、帰ることができたが、3日たっても、まだ、両足が痛く、特に階段を下りるのが苦痛、情けない。

満点の星座、常念岳側から登る日の出、穂高連峰に登り来る雄大な雲海や青空を思うより他なし。

              岡本


涸沢小屋



穂高連峰


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