近況レポート
 

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北アルプス(夏山) (H30.8.3)


雲海の向こうに槍ヶ岳


槍ヶ岳(3,180m、日本で5番目の高さ)が、ほぼ同じ高さに見える、鷲羽岳(2,924m)から槍ヶ岳の威容は素晴らしい!

大饗岳、南岳、中岳、大キレット、涸沢、北穂高、ジャンダルム(フランス語:武装警察官、尾根上の通行を邪魔する岩の意味)等、北アルプスの主役が揃い踏み、山好きには堪えられない山頂からの絶景だ。



穂高連峰


三俣山荘から約3時間登山してきた。山頂が近いと思いきや、カタツムリのごとく登山路は曲がりくねり、麓からは見えない所の山頂へと繋がっていた。
小屋から見るのと大違いで、つらい登山。山頂はかなり見えないところに隠れていた。

ガレ場の山頂から注視して、見渡すと、黒部五郎の有名な残雪、黒部川の源流、雲ノ平、水晶岳が見える。疲労困憊の疲れも少し和らぐ。



高山植物が見事に咲いている


新穂高から「わさび平小屋」〜「鏡平山荘」〜「双六小屋」〜「三俣山荘」とほぼ縦走の登山。登り、下り、かなり手ごわい登山だが、高山植物が目を楽しませてくれる。三俣山荘に向かう登山道で、黒百合を友人が発見、初めて見る黒百合は、意外と小ぶりの名花だ。



雪渓と槍ヶ岳



山の名称、槍ヶ岳に向かって、お楽しみ!


鶯も鳴き、岩ひばりが大きな声で囀っていて、心が和む。沢の水流の音が近い。
ボトルにその清水を満たし、顔を洗う。物凄く冷たい、雪渓からの澤水は、エネルギッシュに流れ落ちている。槍ヶ岳の裏銀座と呼ばれる、蒲田川へ落ちてゆくのだろう。

疲れはてて、山小屋が見えると、ほっとするが、見えてからが大変だ。
谷を下りたり、ガレ場を登ったり、小屋にたどりつくのには、見えてから約2時間はかかる。山荘まで、あと5分と、記載されている岩の上の白いペンキの印にも嬉しさが沸かない。



雲海の遙か遠くに、乗鞍岳が浮かぶ


人の声がすると少し安心できる。ワンゲルのグループ(20人)が登って来た、リーダーが先頭で、右に寄ります!と大きな声で号令。細い登山道を上手く登って行った。港の出船、入船のマナーごとく、下山する人が、必ず登る人に道を譲ってくれる、会釈しながら、ありがとう!と話すと、気を付けて!と声がかかる。山の知られないマナーがある。
一度で良いからライチョウを見てみたいものだが、今回も機会に恵まれない。

三俣山荘を05:25出発、登山口の新穂高へ。鏡平山荘、三俣山荘で各一泊、二泊三日の北アルプス(夏山)登山を終えようと約10時間の行程を歩き、バテバテの中、わさび平小屋から新穂高に向かう途中、蒲田川沿いの登山道の風穴(二か所あり)が涼しい風を与えてくれる。凄い自然のサービスだ。



恋の花「黒百合」


暗闇の中、槍ヶ岳南側の小さく輝いていた山小屋の灯りや、夕暮れの北アルプスの山々、谷、谷を渡ってきた爽やかな涼風が、まだ思いの中に残り、追いかけてくるようだ。

              岡本


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